脳卒中と脳梗塞という言葉よく聞きます。脳卒中については、長らく日本人の死亡原因の1位にもなっていた病気です。
しかし、この2つの病名、違いがよくわからないという人も意外にいるのではないでしょうか?
私もどっちがどうなのか、しっかりと理解していませんでした。そこで、脳卒中と脳梗塞の違いを調べてみました。
「卒中」と「梗塞」の漢字の意味を知れば、2つの違いがわかりやすいと思います。
それでは、脳卒中と脳梗塞の違い、意味について一緒に見ていきましょう。
脳卒中とは
脳の「血管」に問題が生じ、脳の機能に重大なトラブルを起こす病気。
正式には脳卒中ではなく、「脳血管障害」といいます。
脳の機能にトラブルを起こすことで、障害が残ったり、最悪の場合は死に至る怖い病気です。
脳卒中は脳の血管障害の総称であり、主に以下の3つに分類できます。
1.脳梗塞(血管が詰まる)
2.脳出血(脳内の血管(細い)が破れる)
3.くも膜下出血(クモ膜:脳の表面の血管(太い)が破れる)
「卒中」の意味
脳卒中という言葉はよく知られていますが、なぜ「卒中」という漢字が使われているのでしょうか?
「卒」は「突然」、「中」は「倒れる」の意を表します。つまり、卒中は「突然倒れる」という意味で、少し前までは全く元気に仕事や生活をしていたのに、突然発症するということで「脳卒中」は昔から恐れられた症状だそうです。
これは中国が発祥の言葉だそうですが、西暦760年の日本の書物にすでに見られるということです。
脳卒中は長らく死亡原因の1位でしたが、薬などの開発により正常な血圧の維持、塩分の摂取を控えるようになったことなどで、現在は死亡率は下がってきており、ガン、心臓病についで3位となりました。
しかし、脳卒中の発症率自体は下がっていないので、脳卒中の患者が増加しているという状態になっています。
脳梗塞とは
脳梗塞とは、脳卒中(脳血管障害)のうちの1つで
脳の血管の詰まりなどによって血のめぐりが悪くなり、脳組織が酸素欠乏や栄養不足をおこし、脳の組織が壊死(えし)してしまう状態
を言います。
「梗塞」とは「かたい枝、ふさぐ」という意味で、血管をふさいで詰まってしまう症状で脳梗塞に。
脳梗塞は主に以下の2つのパターンに分かれます。
1.脳塞栓
2.脳血栓
この脳梗塞は、脳卒中のなかでも一番多い症状とみられ、日本におけるある病院の調査データーでは、入院中あるいは外来の148万人の脳卒中患者を調べたところ、脳梗塞が約75%、脳出血が15~20%、くも膜下出血が5~10%という調査データが出たそうです。脳卒中の約4分の3は脳梗塞ということになります。
あとがき
いかがでしたか?
「脳梗塞」と「脳卒中」の違いがわかりましたでしょうか?
脳卒中は、脳血管障害が正式な医学用語であり、脳梗塞を含めた脳の血管障害の総称でした。
また、脳梗塞は脳卒中の中の一つの症状であり、またその中でも一番多い症状で脳の血管が詰まることによって脳組織が壊死(えし)してしまう怖い病気でした。
以上で「脳梗塞と脳卒中の違い」についてお伝えしました。それではまた。
コメント