「かかし」と言えば、田んぼに立ってる、カラスや雀除けのあの人形ですが・・・
そもそも、何故「かかし」と呼ばれるのか、気になったことはありませんか?
また、漢字で「案山子」と書きますが、知らないと読めないですよね。
なんで、案山子と書くのでしょうか?
かかしが「かかし」と呼ばれる由来、「案山子」と漢字で書くのはどうしてなのか、お伝えしていきます。
「かかし」は元々「かがし」だった
かかしは、元々「かがし」。
ニオイを嗅(か)がして、鳥獣対策することから、このように呼ばれるようになりました。
これが後に静音化され「かかし」になりました。
ニオイで鳥獣対策していた
かかしというのは、元々は現在のように人形ではありません。
昔は、田畑を鳥獣から守るために、縄を貼ったり、音などで威嚇していました。
ところが、動物たちも慣れてしまいます。
そこで、ニオイで追い払うように。
具体的には、人間の髪の毛と編んだものとイノシシの毛皮をつるしたものを、一緒に燃やして、そのニオイで追い払うというものでした。
「チコちゃんに叱られる」で実験してましたが、実際に燃やしてみてニオイの数値を計測。
納豆やクサヤよりも臭い数値がでていました。そうとう臭いようです( ;∀;)。
また、イノシシの皮を焼くことで、動物たちがこのにおいを嗅いだ時に、「畑に入るとおまえも同じ目に遭うぞ!」というメッセージにもなり、怖くなって近づかないという効果も。
時代とともに案山子(かかし)も変化
ニオイをかがして鳥獣を追う「かがし」でしたが、時代とともに変わっていきます。
室町時代にはなると弓矢を持ったかかしが多く置かれるようになりました。
そして、明治・大正時代になると、古着を着せたかかし、現在に近いものが登場。
今では、かわいらしいかかしなど色々なものがあります。
「かがし」という呼び名は、かかしが変化していっても名残でそのまま残り、江戸時代ごろに静音化され「かかし」になりました。
「かかし」は英語でいうと?
かかしは英語で「scarecrow」。
直訳すると「カラス脅し」なので、まんまですね。
日本とは語源が違いますね。
ちなみに、「かかし」と似たような語源をもつ言葉に「やいかがし」というものがあります。
「やいかがし」とは
昔の日本には、ニオイに「魔よけ」の意味もありました。
そのひとつに「やいかがし」というものがあります。
鬼除けのために、玄関にイワシの頭を焼いたものを串などに刺して飾るというものです。
たとえば、鎌倉時代のこんな面白い絵巻が残っています。
玄関横に飾られた「やいかがし」のニオイのせいで、鬼が家の中に入れずに屋根から覗いています。
現在でもこの風習がある地域があります。
節分時に、鬼よけのためにイワシの頭などニオイの強いものを焼いて串に刺したものを、家の入り口などに飾ります。
案山子と漢字で書くのは何故?
「案山子」は、元々は中国の僧侶が用いた言葉です。
「案山」というのは、山の中でも平らなところを意味します。
また、「子」というのは、人や人形のこと。
中国の宋といつ時代の禅書で『景得伝灯録』の中に、「僧曰、不会、師曰、面前案山子、也不会」とあります。
この中に「案山子」という漢字がありますが、ここから「かかし」の当て字として用いられるようになったのでは、と考えられています。
以上、かかしは何故かかし?案山子と書くのは何故?でした。
なるほど!と思っていただけたら幸いです。それでは(^^)/
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