痒い(かゆい)と、ついボリボリとかいてしまいますよね。
そもそもこの「痒い」って何だと思いますか?
また、なぜ、「かく」と思いますか?
痒い(かゆい)とは?
痒いのは「体に良くないものがついた」というサイン
かゆみは「体にかぶれなどを起こす異物が付いたよー」というサインで、体を異物から守るための「防衛反応」「警告反応」なんです。
それは、最近の研究でわかってきました。
かゆみのメカニズムがわかってきたのは最近
初めは「傷み」と考えられていた
実は、かゆみの研究が始まったのは1950年ごろ。しかも、研究後の約50年間は、「かゆみは軽い痛み」だと考えられていたんです。
痒みを感じる神経は無く、痛点が感じる弱い痛みだとされていました。
しかし、1997年にそれが間違いであることが判明。
かゆみは、痛点ではなく痒点(ようてん)の真下にある神経を伝って、脳に伝わっていることが分かったんです。
「かゆい」と感じるメカニズム
異物が皮膚に付くと、その近くにある肥満細胞からヒスタミンという物質が分泌され、かゆみを伝える神経を伝って脳へ。
かゆみという症状で、異物が付いた場所を脳に知らせているのです。
ところで、痒くなると「かく」という行為をしますが、これは何故なんでしょうか?
なぜ、痒いと「かく」のか?
傷みの神経が、かゆみを抑えてくれるから
「かく」という行為をおこなうと、近くの痛みを感じる神経を同時に刺激します。
この時に、GABAやグリシンという物質が分泌されます。
この物質には、かゆみを伝える神経の働きを抑える効果があります。
そのため、かゆみが収まるんです。なので、かゆい時に「かく」という行為をするのです。
かくより、かゆみを抑えるのに良い方法がある
実は、「かく」よりも、かゆみを抑えるのに良い方法があるです。
それは、「冷やす」こと。
人間は「冷たい」を痛いと感じます。具体的には
- 冷やす
- 冷やしている間ずっと痛みを感じる
- かゆみを継続的に抑えられる
かかないので「皮膚を傷つけることなく、しかも継続的にかゆみを抑えられる」というわけです。
ただ、冷やす時には十分注意が必要です。
直接、氷やアイスノンなどを皮膚に当てると、凍傷になる危険もあるので、ハンカチやタオルなどに包んでじんわりと冷やしましょう。
命に関わる内臓の病気のサインの場合も
かゆみには、「体の表面を異物から守る」働き以外に、「命に関わるような内臓の病気」からくる場合も。
例えば、ガンになると、ガンからかゆみ物質が放出され、かゆみの神経を伝わって脳につたえられ、痒点のある皮膚の表面がかゆくなると考えられています。
その他にも、肝硬変や糖尿病、悪性リンパ腫など、かゆみは体の異常を知らせてくれる重要なサイン。かゆみのサインを放っておくと、最悪の場合死に至ることも。
かゆみは侮れませんね。
以上、痒い(かゆい)って何?なぜ、かくの?でした。
参考元・・・NHKチコちゃんに叱られる(令和3年12月18日放送)出演・解説:かゆみのスペシャリスト順天堂大学医学部特任教授高森健二氏
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